お金のしくみや歴史

なぜ、日本は、日本銀行の金融緩和だけではデフレを脱却できないのか? 

日本銀行 金融緩和
  • 読んでほしい人
    なぜ日本は金融緩和をしているのにデフレから脱却できないのか、疑問に思っている人
  • 扱うテーマ(悩み)は?
    どうすれば、日本はデフレから脱却できるのか?
  • 伝えたいこと
    マネーサプライを増やしインフレにするには、誰かが借金をしないといけない。
  • この記事を読んで、得することは?
    日本からデフレを脱却するにはどうしたら良いのかを知ることができます。

安倍総理が2012年に政権を取り、はや6年が経過しました。

黒田東彦総裁を日銀総裁に任命し、異次元の金融緩和政策を6年間も続けてきました。

ここで言う異次元とは、量と質の両側面で非伝統的な金融緩和手段を採用してきたということです。正直、日本銀行としては、デフレ脱却のために、打てる手段をかなり打ったというのがRの見解です。

ただ、正直言って、いくら日銀が金融緩和をしたところで、現実問題としてデフレから脱却できず、日銀が政策目標に掲げている2%のインフレ・ターゲットを達成できていません。

 

日銀は市中銀行の当座預金のハイパワード・マネーを400兆円以上増やしているのに、日本は一向にデフレ脱却に向かわないのです。

日本中の国民が、疑問に思っていることでしょう。日銀がお金を大量に増やしているのに、なぜ日本はインフレにならないのか?

今回は、そうした疑問に一地方公務員であるRがお答えしましょう。

 

誰かが借金をしないと世の中のお金の量は増えない

  • 金融緩和の最終的な狙いは、世の中のお金の量を増やして、インフレに誘導すること。
  • 世の中のお金の量を増やすには、誰かが借金をしないといけないのに、家計、企業、政府、誰もが借金をしないので、世の中のマネーサプライ(お金の量)は増えていない。
  • 誰かが借金をしないと世の中のお金の量は増えないので、中央銀行である日銀がいくら金融緩和をしたところで、市中銀行の当座預金にお金が積み上がるだけで、インフレに何の効果ももたらさない。

結論は全て、ポイントの中に書きました。これが理解できていれば、正直言って、かなり貨幣論、マクロ経済政策について精通していると思います。

なぜ、借金をしないと世の中のお金の量は増えないのか?

それは、以前の銀行の三大業務の解説記事で詳しく解説しました。

以下の記事を参考にしてください。

借金すると世の中のお金が増える理由は、現代のほとんどの国家が負債性のある通貨を採用しているためです。言い換えれば、中央銀行と政府の信用力を背景とした通貨制度を採用しているからです。

 

中央銀行がお金(緑丸)を発行するときは必ず、その反対側に資産(赤丸)として、国債を買い入れします。日銀のバランスシートを見れば一発でそのことがわかります。

日銀バランスシート引用先:日本銀行HP *赤丸、緑丸はRが追加

とてつもない金額が計上されているのが分かりますよね?(笑)

一国の中央銀行のバランスシートともなると、掲載されている金額が桁違いですよね(笑)。

あっ、そういえばこの前のニュースで日本銀行の資産が日本の1年間のGDPを超えたという記事を見ました(笑)。

これは半年前の資料ですが、平成30年3月31日の時点で、日本銀行は約530兆円近くの資産を保有しています。

 

サハラ砂漠のど真ん中に400兆円のお金を置いたらインフレになるか?

  • 日本銀行が大量にお金を増やして、そのお金をサハラ砂漠のど真ん中に放置したら、日本でインフレは発生するのか?
    →しない。
  • お金は世の中に供給されて始めて、インフレ効果をもたらす。例に設えれば、サハラ砂漠から日本の世の中にお金が移送された段階でインフレ効果をもたらす。

Rは専門用語を使用して煙に巻きたくないので、具体例を使ってわかりやすく説明したいです。

なので、サハラ砂漠の思考実験を出してみました。

仮に日銀が金融緩和により、約400兆円ものマネーを創出し、サハラ砂漠のど真ん中に置いてきたら、日本はインフレになりますか?

なりません。このお金が持ち出され、どこかに流出しない限り。

 

市中銀行が日銀に保有する当座預金というサハラ砂漠

今の現実の日本はこれと同じことが起きています。

日銀が非伝統的な手段を用いて色々なデフレ対策を打って、大量のマネーを創出しています。

しかし、そのお金は、市中銀行(例えば、メガバンク)が日銀に保有する当座預金の中にひたすら積まれ続けているだけです。つまり、市中銀行が保有している日銀の当座預金というサハラ砂漠のど真ん中に放置されているだけなんですね。

 

ここで気になるのは、どうすれば、サハラ砂漠のど真ん中から、そのお金を日本に移送できるのかという点です。

賢い皆様ならすでにわかっていると思います。

そうです、負債性のある通貨を採用しているシステムなら、誰かが借金をすることで、サハラ砂漠のど真ん中からそのお金を日本の世の中に供給することができます。

 

デフレ時に借金を馬鹿みたいに使えるのは、ただ一人、政府のみ。

  • デフレは貨幣価値の上昇を意味するので、借金をすると、負担が非常に重いです。
  • 家計や企業はデフレ時には借金をしたがりません。経済合理的な行動です。
  • デフレ時に莫大な信用力を背景に、経済合理性を度外視して、日本国家のために借金をできる存在は唯一人、政府のみ。
  • しかし、政府はプライマリーバランスで縛られ、デフレ脱却に足りる財政出動を打とうとしていません。(オワコンを意味します…)

日銀が金融緩和をしても、そのお金を借りてくれる人がいなければ、世の中に出回るお金の量は増えません。1000兆円の金融緩和をしようが無駄です。

それは今の日本の状況を見れば明らかですね。

 

デフレ時に経済合理性を無視して、デフレ脱却に足りる借金ができるのは、日本国政府のみです。しかし、プライマリーバランスなどという妄想に取り憑かれ、借金をなるべく減らし、増税をしようとしています…。

つまり、デフレ脱却をしたくないのでは?というくらい逆の行動をしています(笑)。

 

財政政策が金融政策?

官僚及び政治家は近代経済学ではなく、貨幣論をもっと勉強する必要があります。

*近代経済学はお金を物々交換を便利にする、モノの1つとしてか扱っていないからです。信用貨幣論というお金のシステムを採用していないので、現代のお金の仕組みを理解できない。

語弊を恐れずにいえば、金融緩和は世の中のマネーの量を直接増やしません。むしろ、財政政策が金融緩和になるのです。

なぜなら、国債を使った(つまり、借金)財政政策は世の中に仕事をもたらすと同時に、世の中のお金の量を増やすからです。

 

そして、借金をするときの、もう一つの重要な概念があります。

それは借入額は、貸し手ではなく、借り手の返済能力に制限されるという点です。

つまり、銀行の預金額なんてあまり関係無いのです。なぜなら、銀行は信用創造ができるので、無から有を創り出せるからです。

 

そしてなんと言っても、この世の中で、ただ一人返済能力が無限大の存在が一人います。分かりますね。これも、政府です。

なぜか。政府は貨幣発行権を持ってるからです。債務が円建てであれば、日本国政府が債務不履行になる可能性は有りえません。

「そんなことしたら、インフレになるじゃないか!」というお叱りをうけるかもしれませんが、いやむしろ、それが狙いでしょ、と言えるほどです。

つまり、インフレターゲット(2%の物価上昇率)が事実上の信用創造の限界値になるんですね。

 

インフレリスクが高まればその時点で、政府の借り入れによる財政政策を中止すれば良いんですよ、そのときは景気も良くなっているだろうし、場合によっては増税も可能です。

財政政策で国内の必要なところに政府が借金をしてお金を流し、日本の古びたインフラを再整備する。

雇用も生まれ、施設も更新される。同時にデフレ脱却も達成できる。デフレから脱却できれば、経済の力強い自己成長力が戻ります。税収も増えます。

デフレ・スパイラルの逆現象ですね。経済の好循環が生まれるんですね。

 

この記事で伝えたかったこと

  • 信用貨幣が中心となる現代経済では、経済学ではなく、貨幣論を勉強しないと、正しいマクロ経済政策を打てない。
  • デフレ脱却への道は簡単。インフレ目標に達するまで、政府が国債を使用した財政出動を行えばいい。
  • 借金を誰かがしない限り、中央銀行がいくら金融緩和しようと、効果は薄い。

今回は、みなさんが疑問に思っているであろう、日本のデフレ脱却問題について、マネーの仕組みの観点から説明してみました。

資本主義の中心には、必ず、金融、お金や貨幣創造の仕組みが関係しています。これらの理解なくして、正しいマクロ経済政策は打てません。

 

Rは官僚試験も受けましたから、わかりますが、貨幣論の勉強は経済学に出てきません。官僚は貨幣論なんて勉強しませんし、政治家でこのスキームを知っているのは一部でしょう。

Rがこのブログで貨幣論を口酸っぱく唱えるのは、正しい資産運用をするという理由もありますが、正しい金融知識を持ってして、現実を正しく認識してほしいからです。

 

このままでは、日本はいつまで経っても、デフレから脱却できないままですからね。

今回の内容は少し高度でしたが、理解できると、経済や世の中の見方が変わるかもしれませんよ。

ではでは。

ABOUT ME
公務員 投資家R
公務員 投資家R
20代地方公務員。投資、公務員、読書、映画などの情報を発信しています。21世紀は「信頼と信用」が何よりも重要になってくると考えて、ブログを運営しています。利益だけを追わない、信用を貯める。利益は後から結果的についてくる。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)