働き方や生き方

タレブの『反脆弱性』を読んで、未来の不確実性を味方に付けよう! 現代人必読!

ブラック・スワンを味方につける
  • 読んでほしい人
    将来のランダム性や不確実性は、人生にとって悪でしか無い、と思ってる人
  • 扱うテーマ(悩み)は?
    不安定なことは悪いことなのか?
  • 伝えたいこと
    反脆い状態では、不安定でランダムなことは、あなたの人生にとってプラスになる
  • この記事を読んで、得することは?
    不確実性の高い未来に対して力強い知的スタイルを身につけることができる(本気でオススメです)

将来が不確実で不安定であることは、人生や社会にとって、悪でしかないと思っていませんか?

「あっ、当たり前じゃん。予測された未来で安定してた方が良いに決まってるじゃん。」と私も以前まで思ってました。

上記のように思ってる人には、ぜひこの記事を読んでほしいです。考え方が変わりますから。

実は、ある条件の下では、将来は不確実でランダムに満ちあふれている方が良い場合もあるんです。

しかも、そのようなランダム性があなたの人生を大きく左右するほどの影響力を持つと言ったら、どうしますか?

少しは気になってきませんか?(笑)

ナシーム・ニコラス・タレブの『反脆弱性 ANTIFRAGILE』のご紹介記事の第二弾になります。前回の記事では、リーマンショックを題材に、科学、リスク、不確実性などの概念について説明しました。

今回は、将来が不確実であることがプラスに働く場面を説明し、ランダム性を積極的に自分の人生に取り入れる方法をお伝えします!

まずは結論から、将来が不確実で何が起こるのかわからない状態でも、それがあなたにとって、プラスになるのは、物事が反脆弱性という性質を兼ね備えている時です。

反脆弱性という概念がこの段階でわからなくても大丈夫です。この記事を読んでもらえば、わかるようになっていますから。安心して読み進めてください。

ナシーム・ニコラス・タレブ 反脆弱性

攻撃を受けるたびに強くなるのが、反脆弱性。

反脆弱性
  • 反脆いとは、ランダム性による外部からの衝撃を糧にすることである。
  • 反脆いものは、ランダム性、不確実性、間違い、ボラティリティの多さを好む。

金融の世界では、リスクを減らすために(システムを守るために)、あらゆる管理手法が動員されました。

金融の世界において、人工的な科学の力でリスクを管理しようとした結果、リーマンショックにつながってしまったことを第一弾の記事で説明しているので、ぜひ読んでみてください。

最初、この「反脆弱性」という概念を聞いたときにはびっくりしました。

普通は攻撃を受けるたびに、弱くなってしまうのが普通です。

しかし、この反脆弱性は、攻撃を受けるたびに、システムの強度を上げていく性質をもっているのです

反脆弱性の図説

身の回りに存在する「反脆弱性」 インフルエンザの予防注射

でも、この反脆弱性って結構私達の身の周りに存在しているんですよね。

例えば、インフルエンザの予防注射。予防注射の原理は、以下のとおりです。弱いウィルスを体の中に入れて、免疫を作ることで、インフルエンザにかかりにくい体にしています。

弱いウィルスという、弱い攻撃を身体に仕掛けることで、その反動力(回復力)を使い、身体の抵抗力(システムの柔軟性)を高めているんですよね。

これこそ、まさにタレブが「反脆弱性」という言葉を使って表現したかった概念です。

私が学生時代に経験した「反脆弱性」

更に例を挙げると、精神的な強さもその例だと思います。私の例を挙げます。

私は例にもれず、大学時代にアイデンティティ・クライシスを引き起こしました。

「どうして、自分はこんなにつまらない大学に入学してしまったのだろうか?」

「大学で学んでいても時間の無駄なんじゃないだろうか?」

「本当はもっと他にやりたいことが、あったのではないか?」

とにかく四六時中こんなことを考えていたら、思いつめてきてしまって、部屋から出るのも大変な時期がありました。今から考えると完全な笑い話です(笑)。

ただ、当時は本当に思いつめていて、人生の岐路に立たされていたのです。

まさに、ランダム性による外部からの衝撃を受けていたわけですね。

幸いにも私は、この時、読書を通じて、もとの状態に戻ることができました。

自分ではもとの状態に戻ったと思っていました。

でも違いました。悩みに悩み抜き、読書を通じて回復したメンタルは、鋼のように強くなっていました。Rのメンタルタフネスはその時から、圧倒的に強くなりました。

今思えば、タレブの「反脆弱性」という概念がぴったりです。

私は何も悩みたいと思って悩んだわけではありません。当時の自分の置かれた環境と自分が反応して、ランダムに悩みが訪れたのです。自分の安定した精神にとっては、あまり良くないことだと思うのが普通です。しかし、結果的に私のメンタルは反脆弱性によって非常に強力になりました。

このように、外部からランダムにシステムに対して弱い衝撃を与え、その反動を利用してシステムの柔軟性を上げることは、使い方によって、非常に強力な武器になります。

さて、こうした、「反脆弱性」を上手く使いこなすには、どのような点に注意したら良いのでしょうか?その点を確認していきましょう。

反脆弱性を上手く使いこなすポイントとは?

ナシーム・ニコラス・タレブ
★反脆弱性を上手く使いこなすポイント★

  • 小さな失敗を繰り返し、絶えず試行錯誤し、修正しながら前進する。
  • システムに余裕、遊び、冗長性を持たせること。
  • 失うものよりも、得るもののほうが多い状態にする。
  • リスクは限定されているが、利益の可能性は無限大の状態を作り出す。
  • リスクを極端に抑える戦略と極端にリスクを取る戦略を同時に行う(バーベル戦力)。
  • 平均よりも、平均からの外れ値(ブラック・スワン)を重要視する。

これらのポイントは、タレブが「反脆弱性 ANTIFRAGILE」の中で挙げている、反脆弱性をうまく利用するポイントであります。

すごく当たり前のものもあれば、「えっ!?」と思うものもありますね。

だが、これらの戦略は、未来の予想できない不確実性に対して非常に有効な戦略になっているのです。

これらの特徴について、少しずつ触れて説明していきましょう。

小さな失敗から教訓を得ながら、試行錯誤を進める

未来は不確実なので、失敗を避けることはできません。無理に科学の力でコントールしても無駄です。

コントロールできていても、それはコントロールできてるように見えているだけです。いつか、ブラック・スワンが空から舞い降りてきて、崩壊します。

なので、失敗を受け入れるのです。そして、大事なのは、1回の失敗でシステム全体が崩壊しないようにすることです。

生き残ることさえできれば、小さな失敗は利益でしかないからです。

小さな失敗を繰り返し、そこから教訓を得て、システム全体に反映させていきましょう。

システムに対して致命的なダメージを与えない失敗は、間違いなく反脆弱性のあるシステムを作るにあたって必須の要素です。

無理して失敗する必要はありませんが、失敗は肯定的に捉えましょう!

システムに余裕や遊びをもたせる

反脆弱性のある状態を目指すにあたって、「余裕」は非常に大事です。

なぜなら、未来は不確実なので、余分が必ず必要になるからです。

会議で必要分の資料を印刷しても、余分の印刷分を作りますよね。

あれと同じ感覚です。システムに遊びや余裕があることで、未来の不確実性に非常に強くなるのです。

また、このシステムの余裕性には、もう一つ大きなメリットがあります。

それは、あなたのリスクテイクを容易にしてくれる効果もあります。

投資における、生活防衛資金があることで、余剰資金については、積極的にリスクを取れるという感覚と一緒です。

余分は無駄で非効率だと思われがちですが、とんでもない。むしろ、余分は効率的なんです。

なぜなら、その余分があることで、システム全体の柔軟性が上がり、未来への不確実性に対処できるからです。長い目で見たときには、効率的であると言えます。

だから、常にテンションMAX、ギリギリ状態で、未来の不確実性に対処するのは賢明とは言えません。余裕をもたせましょう。

リスクは限定されているのに、得られる利益は無限大の可能性を持つ状態

金融取引でオプション取引という取引がありますが、あの例でいうと、オプションの買い手になりましょうってことですね。

例えば、コールの買いオプションを考えてみましょう。日経平均株価を例に取りましょう。

日経平均株価のコールプションの買いの具体例

今日の日経平均株価が2万円

ここで、一ヶ月後に、日経平均株価が2万2千円に上昇すると予想しているとしましょう。

でも、下がってしまう可能性もあるので、それにも対処したい。そんなケースです。

ここで予め一定のオプション料金を払っておけば、コールプションの買いを使って以下のような対処ができます。

日経平均株価が予想通りに2万2千円になったら、決済して、利益を貰う。

日経平均株価が予想に反して、1万9千円になってしまったら、決済する権利を放棄する。失うのは予め払ったオプション料金のみです。

ここで、注目したいのは、リスクは限定されているのに、得られる利益は無限大ということです。なぜなら、上昇に上限は無いからです。

もっと簡単な例を出せば、ブログなんて、まさに「リスクは限定されているのに、得られる利益は無限大の可能性を持つ状態」にある、と言っても良いのではないでしょうか?

リスクは、毎月のサーバー代とドメイン料金だけに限定されています(わずかなリスク=コストです)。

一方で、そこから得られる利益可能性は、理論上は無限大に近いです。

ブログの記事を書いていれば、インフルエンサーに注目されるかもしれません。

ブログを続けていれば、出版社の目に止まって、本を出せるかもしれません。

ブログを続けていれば、熱狂的なファンが付くかもしれません(ブランドの構築)。

ブログを続けていれば、あなたの給与収入を上回る収入がもたらされるかもしれません。

とにかく、リスクは低いのに、得られる利益可能性は無限大に近いです。

このような状態のときは、反脆弱性が高いです。失敗をガンガンして、積極的にリスクを取ることによって、あなたは打たれ強くなり、成長する可能性が非常に高いです。

リスクを極端に抑え、一方でリスクを極端に取りに行く、二峰性戦略

タレブは、『反脆弱性 ANTIFRAGILE』の中で、二峰性戦略、または、バーベル戦略と呼んでいます。

バーベルとは、あの筋トレで使うバーベルのことです。真ん中は細く、両極端が太いあの鉄の棒のことです。

リスクを極端に回避して、でも一方では、ありえないくらいのリスクを取りに行く戦略のことです。

例えば、投資で言うなら、ポートフォリオの90%が預金や国債の安全資産で、残りの10%を仮想通貨に突っ込むとかです。

これらは一見馬鹿げているように思いますが、人生を激変させる可能性を秘めています。失敗しても、自分の資金の10%を失うだけですが、当たれば、人生の勝ち組に入れる可能性が高いです。

こうした積極的なリスクテイクで人生を激変させる可能性があるのが、不確実性の高い現代に対応した生き方です。防御策が取れているなら、未来のリスク(ボラティリティ)はプラスでしかないからです。

平均よりも、平均からの外れ値(ブラック・スワン)が決定的に重要な状態

予め防御策を取っている状態で、なおかつ、あとはリスクを取りにいける反脆い状態では、平均値は、あまり意味を持ちません。

リスクを取っているので、平均から外れれば外れるほど、あなたが得られる利益は途方もなくなるからです。

ブログの話に落とし込めば、あなたが心血を注ぐのは、あなたのコアファンのみでOKということです。

反脆い状態を作れれば、あなたのアンチや好きでも嫌いでも無い平均的なターゲットは無視しても構わないということです。

なぜなら、ブラック・スワンであるコアファンが、あなたの人生を大きく左右するキーファクターだからです。

タレブの文章を引用したいと思います。

さらに、熱狂的で影響力の大きいファンはプラスに働く。たとえば、ほとんどの人はウィトゲンシュタインを奇人、変人、いかさま師と考えていたが、そう考えていたのは意見に影響力のない人たちばかりだった。ところが、彼には、バートランド・ラッセルやJ・M・ケインズなど、影響力絶対な数少ない熱狂的信者がいた。

ナシーム・ニコラス・タレブ『反脆弱性 ANTIFRAGILE 上』P295

普段から、反脆い状態を作っておくと、こんなメリットがある

反脆い状態
反脆い状態を構築しておけば、

  • 細かい未来を予測する必要がなくなる(大雑把な方向性だけでOK)
  • 不安定でランダムな未来が、マイナス要素ではなく、プラスの要素になる
  • 失敗はマイナス要素ではなく、プラスの要素になる
  • 一回の失敗で、自分の人生を激変させてしまう可能性を低下させることができる(負のブラック・スワン効果から身を護ることができる)
  • あなたの人生に本当に大きな影響力を与える要素に集中できるようになる

科学の力で無理にガチガチに将来を予測しなくても、タレブの生き方(反脆い生き方)を実践すれば、不確実性の高いカオスな未来に対処できるんですよ。

科学の力でガチガチに固めれば固めるほど、反脆弱性の反対、つまり、システムは脆く(Fragile)なります。ちょっとした変化で、一気にシステムが崩壊するのです。

現代の紙幣印刷システムとかはその典型例です。アメリカの一投資銀行(Lehman Brothers)が倒産しただけで、100年に一度の金融危機が起きてしまうんですから。脆いという表現以外に適切な表現が私には思いつきせん。

反脆い生き方、どうでしたか?

Rには、至極真っ当で、実践的な生き方だと思います。時間や多少の労力は要するのでしょうが、長い目で見たときに、非常に優秀な戦略だと思います。

科学の権勢がものすごく大きな時代ですから、こうした生き方は憚られるのでしょうね。

でも、Rはリーマンショックから教訓を学びたいので、ぜひタレブ的な生き方を実践していきたい、と考えています。

ちなみに、タレブの『反脆弱性 ANTIFRAGILE』から得られる知見は、まだまだあるので、第三弾に続きます(笑)。

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公務員 投資家R
公務員 投資家R
20代地方公務員。投資、公務員、読書、映画などの情報を発信しています。21世紀は「信頼と信用」が何よりも重要になってくると考えて、ブログを運営しています。利益だけを追わない、信用を貯める。利益は後から結果的についてくる。

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