お金のしくみや歴史

お金の現在価値?? お金と時間の関係について考えてみようじゃないか

お金と時間の関係 現在価値

佐伯 良隆さんの「知っておきたい ホントに大事なお金の話」を読みました

知っておきたい ホントに大事なお金の話

今回は書評です。

佐伯 良隆さんの「知っておきたい ホントに大事なお金の話」をご紹介します。

 

この本には金融教育の重要性が書かれています。

金融教育を受けない日本人にとっては必読の1冊でしょう。

 

ただ今回は、この素晴らしい本のごくごく一部を紹介するまでにとどめます。

 

お金と時間の関係に考えをはせてみよう

今回紹介したいのは、「お金と時間の関係」についてです。

 

突然ですが、今日貰える1000万円と、1年後に貰える1000万円だと、どちらに価値があると思いますか??

直感的に考えてもらって大丈夫です。

 

恐らく多くの方が、今日貰える1000万円に価値を感じるのではないでしょうか?

感覚的にわかる話なのですが、ここでは「なぜそう感じるのか?」について、掘り下げてみましょう。

 

お金の現在価値 今日の1000万円 > 1年後の1000万円

お金の現在価値

 

同じ金額でも、今すぐに入手できるお金のほうが、1年後に入手できるお金よりも、価値が高いのです。

そこには、ある2つの概念が関係しています。

それは、「機会費用」と「不確実性」という2つの考え方です。

 

機会費用について

言葉でわかりやすく説明しますね。

誰かにお金を友人に貸すケースをイメージしてみてください。

お金を貸すということは、貸している間は、資金を制約されて自分が自由に使えなくなることを意味します。

この制約自体が、今あるお金の価値を上昇させる1つの原因です。これを機会費用と言います。

 

本当は今すぐにお金を使えたほうが、自分の好きなことができて、もしかしたら、それで利益を得られてたかもしれません。

とにかく、今この瞬間に手元にあるお金というのは自由度が高く、お金の価値が非常に高いということです。

 

不確実性について

それから、友人にお金を貸すということは、ある一定期間が経過した後は、返してもらえます。

でも、将来は不確実なので、貸したお金が確実に返済されるかどうかわかりません。

とても不安ですよね。

この不安に対するご褒美と言ったら良いんですかね。

 

お金が帰ってこなくなる可能性を引き受けて誰かにお金を貸すことが、今のお金の価値を上昇させる2つ目の要因です。

これを不確実性と言います。

 

これも機会費用と同じで、今すぐにお金を使おうと思えば使えるんだけど、債務不履行のリスクを引き受けて貸してるんだよ、ってことです。

こちらも、今すぐに使えるお金と、帰ってくるかどうか不明のお金、どちらに価値があるか一目瞭然ですよね。今のお金のほうに価値があります。

 

これら2つの要素が組み合わさって、今のお金の方に価値が高く付くことになるのです。

 

 

 

将来のお金を今現在の価値に直す時は、「割引率」で割り戻す

今すぐに入手できるお金の価値が高いことはわかりました。

じゃあ、どれくらい価値が高いのか。気になりますよね?

それは、以下の計算式で算出することが理論的に可能なんです。

お金の現在価値の求め方

$$\color{red}{\LARGEお金の現在価値=将来のお金の価値\div(1+割引率)^{n年}}$$

$$\color{red}{\LARGE割引率~~~~~~~~~~~~~~~=機会費用+不確実性}$$

出典:「知っておきたい ホントに大事なお金の話」P27

 

いきなり式だけ見せられても「??w」って感じだと思うので、まずは言葉の説明から。

「機会費用」=利益を得る機会を失うこと(我慢強さのプレミアム)。

「不確実性」=将来の不確実さのこと。

 

n年のところは、複数年にまたがるときに使用します。例えば、3年の時は、「n=3」になりますね。

 

こういう抽象的な数式を説明するときは、具体例が1番なので、具体例で考えてみましょう。

 

友人に1000万円を貸して、1年後に1100万円にして返してもらうパターン

[speech_bubble type=”ln-flat” subtype=”L1″ icon=”2.jpg” name=”友人A”] 1000万円貸してよ。1年後に1100万円にして返すからさ。[/speech_bubble]

[speech_bubble type=”ln-flat” subtype=”R1″ icon=”R.PNG” name=”R”] 友達だし、貸してやるか。 [/speech_bubble]

*注:現実世界のRは1000万円保有してないので貸せません(笑)。

 

とにかく、1000万円貸して、1年後に1100万円帰ってくるケースを想定しましょう。

このときの利益率は、10%ですね(100÷1000=0.1)。

 

まずは、「機会費用」について考えてみましょう。

このときに、銀行の預金の利子率が、5%だと仮定しましょう(*機会費用は利子率だけではないが、ここでは利子率と仮定する)。

機会費用とは、ここで言うなら、友人にお金を貸さなければ、5%の利子がもらえたことを意味します。

つまり、50万円ですね。

 

次に「不確実性」を考えてみましょう。

不確実性は、友人の信頼度と置き換えることができます。

友人が信頼できるやつであればあるほど、この不確実性は下がっていきます。

ここでは仮に、友人が10%の確率で、返済ができなくなる可能性があると仮定しておきましょう。

 

割引率の式を思い出してください。

「割引率=機会費用+不確実性」でした。

今回の場合、割引率は「15%(割引率)=5%(機会費用)+10%(不確実性)」になります。

 

さぁ、これで全ての条件は整いました。

1年後の1100万円は、今の価値に換算するといくらになるのでしょうか?

$$\frac{1100万円(将来価値)}{1+0.15(割引率)} = 約956万円(現在価値)$$

 

現在価値が役に立つ理由 今を基準に物事の判断ができる

これで、”今”という時点を基準にして、お金を比べることができるようになりました。

ややこしい言葉の表現は抜きにして、1000万円>956万円と言えるのです。

つまり、この友人Aにお金を貸すケースにおける1年後の1100万円は、今の価値に直すと956万円にしか過ぎないということです。

 

そして、この現在価値がどう役に立つのかというと、”今”を基準にして物事の判断ができるということです。

今回のケースで言うと、Rが友人に1000万円を1年間貸すと判断した瞬間に、現在1000万円のお金の価値は956万円に減価してしまうことになります。

 

この現在価値の考え方は応用が効きます。

実は、このお金と時間の関係を考えることによって、米国株の高配当投資がなぜ市場をアウトパフォームできるのか、その理由がわかるのです!

「さぁ、検討してみましょう!」と言いたいところですが、このお金と時間の概念は理解するのが大変なので、お疲れだと思います。

その理由については、次回の記事でゆっくりと見ていくこととしましょう!

 

 

 

この記事で伝えたかったこと

POINT

  • 日本では学校で金融教育を受けさせてもらえないので、自分で勉強するしかない。
  • 金融の知識がない場合、気づかないうちに人生で大きな損をしている可能性がある。
  • お金と時間には面白い関係がある。同じ金額でも、将来のお金より、今のお金の方に価値がある。
  • お金の現在価値を求めるには、割引率を使って、将来の価値を割り戻す必要がある。
  • 割引率は、「機会費用」と「不確実性」の2つから構成される。
  • お金を現在の価値に換算することで、このまさに”今”という時間軸で、物事の判断ができるようになる。

 

 

続きの記事は以下のURLからどうぞ。

>>「米国株の高配当投資が市場平均をアウトパフォームする理論的理由 お金の現在価値の公式」

ABOUT ME
公務員 投資家R
公務員 投資家R
20代地方公務員。投資、公務員、読書、映画などの情報を発信しています。21世紀は「信頼と信用」が何よりも重要になってくると考えて、ブログを運営しています。利益だけを追わない、信用を貯める。利益は後から結果的についてくる。

POSTED COMMENT

  1. おみそ より:

    今のお金の方が高価値なのはなんとなく判ってたけれど、数値で出せると実用的ですごくいいですねぇー。目的なくお金を飼い殺している人は機会費用分の損をし続けているってことになるのかなぁ。

    あと、例だって分かってるけど、1000万をポンッと貸すRさんが気前良すぎて何か面白かったですw

    • 現在価値の考え方については、一度きちんと勉強しておくと、色々な場面で応用が効くので、凄いオススメです!
      全くおっしゃる通りで、「銀行預金に置いていたお金と時間で、他のことができたのに」という感覚がまさに機会費用という考え方です。
      銀行とに置いていたお金と時間を、S&P500のETFに使っていたら…(笑)。機会費用ですね(笑)。

      そうでしたか(笑)。私のTwitterやブログでは、こうした私のシュールな一面が出てくることが多く、自分でも笑っちゃうことが多いですね(笑)。
      お金のことを真剣に語っているのだけれど、なぜか笑えてくるという(笑)。

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