投資

【米国大型配当株投資の理論的根拠を知りたい人へ】 「人間の認知の歪み」にこそ利益の源泉がある

米国の大型配当株を長期保有する投資手法が利益を上げ続けられる理由

今回の記事の趣旨読んで欲しい人:米国の大型配当株を長期保有する投資手法が、市場平均を超える理由を知りたい人。

 

伝えたい内容 :その理由は、「近視眼的な時間非整合割引率」という、人間の認知の歪みがあること。

 

読了時間   :7分

「ファイナンス理論全史――儲けの法則と相場の本質」を読み終えました

ファイナンス理論全史――儲けの法則と相場の本質

田渕 直也さんの『ファイナンス理論全史――儲けの法則と相場の本質 』を読み終えました。

投資理論の概要や歴史を勉強するのにもってこいの本でした。

 

ここで紹介されていた理論を上手く解説する能力は、私には無いので、この本を読んでください(笑)。

別の記事で、代表的な理論については、扱う予定です(ランダムウォーク理論、効率的市場仮説、モダンポートフォリオ理論など)。

なので、この本で私が1番意味があると思った部分を引用して紹介する形式でレビューします。

 

まず、この記事で1番伝えたいのは、「米国大型配当株投資の利益の源泉」についてです。

なぜ、米国の配当をたくさん出す大型銘柄に投資する手法が、長期的にみて市場平均をアウトパフォームすると予想されるのか。

ちょっと、気になりませんか?

なぜ、有名な大型銘柄に長期投資してるだけで、市場平均をアウトパフォームできるのか?

 

早速、結論を言いましょう。

米国大型配当株投資の利益の源泉

人間という生き物は、企業が生み出す遠い将来の利益を過小評価してしまうから。

 

私の投資手法 「インデックス投資」と「米国の配当株投資」

配当金

当ブログの「毎月の投資&貯蓄状況」でもご紹介してますが、私の投資手法は、「インデックス投資」と「米国の配当株投資」の2つです。

インデックス投資については、投資信託である「野村-野村つみたて外国株投信」を通じて、実践しています。

配当株投資については、投資信託である「三井住友TAM-SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン」を通じて、実践しています。

 

Rは結構面倒くさがり屋で大雑把な性格なので、特定の手法に狂信しておりません。

「未来は予測できない」というのが私のモットーなので、雰囲気で投資の有効性を確認できれば投資しちゃいます(笑)。

 

そんな私が現在有効と考えているのが、「インデックス投資」と「米国の配当株投資」の2つの投資方法です。

 

インデックス投資については、資本主義の拡大再生産や平均回帰性、市場の平均点を取りに行くなどの考えから、非常に有効な長期投資方法であると考えています。

そのことについては、水瀬ケンイチさん(@minasek)の「お金は寝かせて増やしなさい」のレビュー記事(『お金は寝かせて増やしなさい』読了 場所と時を超える 人間の欲望)でも書きました。

 

その一方で、私は米国株の大型配当銘柄についても投資をしています。

これについても、長期的にみて非常に有効な投資手法だと考えています。

 

人間は合理的に行動するのか?感情的に行動するのか?

これはあらゆる投資理論に共通する永遠のテーマです。

人間は合理的な生き物なのか、感情の生き物なのか?

どういう人間を前提にするかで、結論が変わってきてしまいますからね。

 

このテーマは、そうした観点から、二者択一で語られることが多いです。

白黒はっきりさせるみたいな感じで。

 

私の考えを先に述べておくと、「両方、正しい」です。

そもそも、この世の中って、そんなに白か黒かはっきり決められるものって少ないと思いませんか?

グレーゾーンが多いんですよ。

私は大雑把な性格なので、余計そう考えちゃうのかもしれませんが(笑)。

 

とにかく、私の人間観は、「人間はときに合理的な生き物でもあるし、ときに合理的じゃない生き物にもなる」です。

 

人間が合理的に行動する生き物であると仮定すると、インデックス投資が有効

今回は、詳しく紹介しませんが、インデックス投資というのは、人間が神様みたいに合理的に行動するという前提が置かれています。

専門的な投資理論でいうと、ランダムウォーク理論、効率的市場仮説、モダンポートフォリオ理論、CAPM(キャップエム)がそれらにあたります。

 

私は、実際にインデックス投資をしているので、これらの理論が完全までとはいかないまでも、そこそこ有効に機能する、と考えています。

しかし、あくまで、「そこそこ」です。

 

なぜなら、私は、人間はときとして合理的に行動できない生き物である、とも考えているからです。

 

人間が合理的に行動しないと考えるのであれば、インデックス投資以外の投資手法にも「うまみ」が残る

人間が合理的に行動できないと考えるのであれば、インデックス投資以外の投資手法にも妙味があります。

インデックス投資の基本的哲学は、市場平均をアウトパフォームすることはできないということです。

 

でも、皆さんは、市場平均をアウトパフォームしている数々の投資家が実際にいることを知っているはずです。

それは、ウォーレン・バフェットを始めとする投資家達です。

 

ウォーレン・バフェットはご存じのとおり、長期にわたって、市場平均をアウトパフォームする成績を残してきた伝説の投資家です。

バフェットは、独占力の強い消費財企業(コカ・コーラが代表例)に長期で投資する手法で知られています。

 

なぜ、バフェットが長期にわたって、市場平均をアウトパフォームする成績を残せたのか?

これについては、あらゆる書籍で議論されているところではありますが、今回は投資理論の観点から、説明してみましょう。

 

市場に効率的じゃない部分が継続的に残る その部分こそ、利益の源泉

インデックス投資派から言わせれば、市場は効率的だから、市場平均をアウトパフォームする成績を残せるはずがない、ということになります。

一時的に市場が非効率になっても、人間は合理的に行動するから、その非効率的な部分に人が集まってきて、修正されてしまう。

修正されてしまうから、その非効率的な部分が継続して市場に残ることはありえない、ということになります。

 

でも、非効率的な部分が修正されずに、市場に残ることがあるとしたら、驚きますか?

Rは、こうした非効率な部分が修正されずに残り続ける、と考えています。

だから、米国の大型配当株に投資しています。

 

なぜ、市場に非効率的な部分が修正されずに残ってしまうのか?

それは、人間が合理的に行動できない生き物でもあるからです。

 

こうした研究は進んでいて、行動ファイナンスや行動経済学という分野で有名になっています。

最近も、リチャード・セイラーという行動経済学者がノーベル経済学賞を受賞しました。

 

今回紹介する行動ファイナンスの理論 「近視眼的な時間非整合割引率」

さぁ、「ファイナンス理論全史――儲けの法則と相場の本質 」から引用してみましょう。

だが、人はとても近視眼的な生き物なのだ。目の前のことを過大に捉える一方で、将来のことは、それが遠い将来であればあるほど、考えが及びにくくなる。だから超優良企業がその遠い将来においても生み出すであろう利益の価値は著しく過小評価されてしまう。

出典:「ファイナンス理論全史――儲けの法則と相場の本質 」P199~200

 

「近視眼的な時間非整合割引率」、ちょっと言葉は難しいですけど、言いたいことは簡単です。

「人間って、近くの将来のことは過大評価しちゃう一方で、遠い将来のことはよくわからないので、過小評価しちゃう傾向にあるよね?」ってことです。

 

*雑学的なネタを披露すると、「近視眼的」という言葉ですが、英語では「myopia(マイオピア)」と言います。

医学用語で、近視を意味します。ギリシャ語の「目を閉じる」という語源を持ちます。

近くのことしか理解せず、長期的な視点を持たないという意味です。

 

 

あるあるですよね。

ダイエットを始めると宣言したのに、目の前のケーキを食べる美味しさに勝てず、将来の健康を過小評価しちゃう。

老後に向けて貯蓄を始めたのに、ついつい目の前の誘惑に勝てず散財してしまい、将来の老後の安全を犠牲にしてしまう。

 

人間は合理的に行動できないときがあるんです。しかも、本能的にです。

この本能的というのが大事です。意図的に計画して、制御しようとしないと、人間の本能でそういう行動を取ってしまうということです。

人間の本能に埋め込まれた非合理的なシステム、そう言い換えてもいいでしょう。

 

人間が人間である限り、市場に非効率的な部分は残り続ける

非合理的な行動を取ってしまうシステムが人間に埋め込まれているとしたら、それはインデックス投資以外の投資手法に大いにうまみがあることにつながります。

米国の大型の配当株に投資する手法にもうまみがあるといえるでしょう。

 

米国の大型配当株は、永続性が高い企業です。

コカ・コーラ、P&G、ジョンソン・アンド・ジョンソン、こうした企業は歴史も長く、今後も長きにわたり、利益を上げる可能性が高いです。

これらの大型株が長期にわたって利益を出すことが想定される場合、人間はその利益について、遠くなればなるほど過小評価してしまうことになります。

 

まさに、この過小評価してしまう点に、利益の源泉があります。

こうした、利益を上げ続ける永続性の高い企業の株式を長期間保有することによって、過小評価されている部分がジワジワ効いてくるんですよ。

 

市場が非合理的になるリーマン・ショックのようなときに、こうした永続性の高い企業の株式を購入できれば、その市場の非効率性は高まり、将来のリターンは飛躍的に増加することでしょうね。

 

「人間が合理的に行動できないときもあるということ」を信じるかどうかは、その人の個人の価値観の問題になります。

「いや、人間は理性の生き物だから、常に合理的に行動できる」と考えるのであれば、今の話は一切通用しません。

 

ただ、Rは四半世紀近く生きてきた経験で、「人間は時として合理的に行動できない生き物である」という価値観を有するに至っているので、米国の大型配当株式に投資してます。

 

20世紀最高の経済学者 ジョン・メイナード・ケインズも同じことを言ってた!?

ジョン・メイナード・ケインズby Wikipedia J.M.Keynes

私が、金融、政治、経済、投資、人生、あらゆる側面で影響を受けている20世紀最高の経済学者のジョン・メイナード・ケインズ(以下、ケインズ)も同じことを言っていました。

ケインズが1936年に出した『雇用、利子および貨幣の一般理論』のなかで、「近視眼的な時間非整合割引率」と同様の内容を書いているのです。

1936年ですよ!? ケインズの先見性の高さには脱帽するしかありません。

 

しかも人生はそれほど長くはない。[長くはない人生を生きる]人間というものは結果がすぐに現れることを望むものである。手っ取り早い金儲けにことに強い興味を示し、遠い先に得られる利益を平均的な人間は非常な高率で割り引く。

出典:『雇用、利子および貨幣の一般理論』(1936,J.M.Keynes)第12章 長期期待の状態 P217より

 

ちょっと言い方は、ケインズだけあって、シャレていますが、示している内容は同じです。

 

この記事で伝えたかったこと

POINT

  • 『ファイナンス理論全史――儲けの法則と相場の本質 』は、投資理論の概要と歴史を理解するうえでの良書。
  • 「人間は、ときに合理的に、ときに非合理的に、行動する生き物」が私の人間観。
  • 世の中には、白黒はっきりさせられる問題ってそんなに多くないということ。
  • 人間は本能的に、近い将来のことを過大評価してしまう一方で、遠い将来のことを過小評価してしまう、傾向にあること。それを、「近視眼的な時間非整合割引率」と言う。
  • 「近視眼的な時間非整合割引率」という人間の本能的な傾向が失われない限り、超優良企業の株式を長期保有することの優位性は保たれる。
  • 投資理論の観点から言って、インデックス投資にも、それ以外の投資手法にも、うまみがある。
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公務員 投資家R
公務員 投資家R
20代地方公務員。投資、公務員、読書、映画などの情報を発信しています。21世紀は「信頼と信用」が何よりも重要になってくると考えて、ブログを運営しています。利益だけを追わない、信用を貯める。利益は後から結果的についてくる。

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