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ビットコインを始めとする仮想通貨は、はたしてお金(貨幣)として機能するのか?

ビットコインと貨幣
この記事の概要・どれくらいで読めるか:12分程度
・この記事の内容:ビットコインを始めとする仮想通貨は、お金として機能するのか?
・この記事の目的:仮想通貨を題材にお金への理解を深めちゃうよ。

 

ビットコインはお金(貨幣)の代わりになるか?

ビットコイン 仮想通貨

最近、話題に事欠かない、ビットコインを始めとする仮想通貨。

名前をもう一度見てみてください。

仮想”通貨”です。

 

通貨というのは、日本円や米ドルのような貨幣のことを指します。

ビットコインも、日本円や米ドルのように現実の経済で貨幣として機能するのでしょうか?

 

最初にRの結論を言っておきましょう。

ビットコインを始めとする仮想通貨は、お金(貨幣)の代わりにはならない、です。

 

その理由をこれから説明します。

歴史、貨幣論などの知識を総動員して、この興味深い題材を解決していくこととしましょう。

 

ちなみに、Rは仮想通貨をそれなりに保有しています。

ビットコインを始めとする仮想通貨は、お金の本質を知るのに、良い題材

ビットコイン、リップル、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、トロン、XP、などなど仮想通貨をやってる人からすれば、おなじみの銘柄だと思います。

Rは上記の仮想通貨を保有しています。

Rも仮想通貨のブロックチェーン技術には注目していますし、応援したいです。

 

しかし、それが仮想通貨がお金として機能するかどうかは、また別の話です。

このビットコインを始めとする仮想通貨は、「お金ってそもそも何なの?」って話を理解するのに、もってこいの題材です。

 

世間の多くの人たちが、理解しておらず、誤解している問題です。

経済学も間違ったお金の捉え方をしています。

 

だから、日本はいつまで経っても、デフレを脱却出来ないままです。

それは、お金の本質を理解していないからです。

 

さぁ、今回も知的興奮の航海に旅立つこととしましょう😆

今回はビットコインを例に説明していきます。

 

ビットコイン(BITCOIN)は、デジタルゴールド!?

ビットコイン

よくビットコインは、デジタルゴールドと言われます。

この理解は正しいです。

デジタルゴールドといきなり言われても、わからない方も多いと思うので、ゴールドの意味を確認しておきましょう。

 

ゴールドの性質をまずは確認しておこう

まずはゴールド。

おなじみの、金です。

あの、黄金に輝く、物体としての金属です。

 

金と人類の歴史は古く、人類は金に魅了され続けてきました。

溶かすことが出来、容易に伸ばすことが出来、腐らず、そのまばゆい輝きを放つ性質。

そして、何より金の価値を保証しているのが、その希少性、限定性、有限性です。

 

全てのモノの価格は、需要と供給で決定されます。

金は地球上に埋蔵されていますが、その埋蔵量は限定されています(人類が有史以来掘り出した金の量はプール3杯分と言われている)。

 

デジタルゴールドとしてのビットコイン

ビットコインも基本的にこの有限性、希少性、限定性という考え方を引き継いでいます。

ビットコイン(BitCoin)には、有限性があります。

デジタルですから、金属の物質はありませんね(笑)。

これがデジタルと言われる所以です。

 

仮想通貨をやってる人には当たり前かもしれませんが、ビットコインは、発行上限が既に決まっています。

ビットコインの発行上限は、2100万BTCです。

 

2018年1月時点で上限の80%が、既に発行されている状況です。

2,100万BTC✕0.8=1,680万BTCが既に市場に出回っていることになりますね。

 

ビットコインの価値を支えているのは、この2100万BTCという供給量の制限(限定性、希少性)です。

供給量が制限されているので、それ以上の需要があれば、後は価格の上昇で対応するしかありません。

 

お金の認識の仕方(捉え方)には2通りある

お金の捉え方には、大きく分けて、2通りの捉え方があります。

お金の2通りの認識の仕方

  1. 商品貨幣論
  2. 信用貨幣論

難しい専門用語にびっくりしないでくださいww。

Rのブログのモットーは、「わかりやすく、でも、内容のレベルを落とさない」ですから。

とりあえず、読んでみてください。

 

商品貨幣論 お金は貝殻、硬貨、紙幣へと便利な交換手段へ進化してきたとする説

商品貨幣論は「取引をするときに物々交換をするのは大変なので、その媒介物として、便利なものを間に挟もう」とする考え方です。

貝殻だったり、硬貨だったり、紙幣だったり、とにかく交換が便利になれば何でもOKです。

 

貨幣という漢字をよく見てみてください。

「貨」の下に「貝」という漢字がありますよね。

また、「幣」の字は、一文字で「みてぐら、ぬさ」と読みますが、これは「神への贈り物」という意味があります。

転じて、「宝物・大事な物(=お金)」といったところになるのでしょうかね。

つまり、「貨幣」という漢字そのものが、この商品貨幣論というお金の捉え方を示しているのですね。

 

この商品貨幣論は、別名、金属主義とも言われます。

お金の価値を、金などの”モノ”が支えていると考えるからです。

そして、この商品貨幣論は、世間一般の人の認識でもあり、経済学が基本にしている考え方です。

 

 

商品貨幣論の代表例 金本位制(ゴールドスタンダード)

世界史の歴史で学習しますが、「金本位制」というキーワードが出てきますよね。

この金本位制は、商品貨幣論の典型例です。

 

金本位制はイギリスが始めたお金の制度です。

「お金の価値を裏打ちしているのは、金という物理的物質である」、という考え方に基づきます。

 

だから、この金本位制では、紙幣を銀行に持参すると、一定量のゴールドと交換してもらえます。

一定量のゴールドと交換が保証されているお金のことを、「兌換紙幣(だかんしへい)」と言います。

 

当然、お金の価値は金という物質なので、お金を刷れる量は、金の埋蔵量に制限を受けます。

裏打ちする金がないのに、紙幣を刷りまくったら、金本位制じゃないですよねw。

 

商品貨幣論(金属主義)の致命的な欠点 不換紙幣を説明できない点

ちなみに、この商品貨幣論の致命的な欠点として、1971年以降の米ドル(不換紙幣)を説明できないことが挙げられます。

金とのリンクが切れた米ドルが、今も基軸通貨として流通している理由を説明できないのです。

なぜなら、商品貨幣論は、お金の価値の源泉を、金属という物質(ゴールド)に求めているからです。

 

なぜ、ゴールドとのリンクが切れた1971年以降の米ドルが、今もなお世界の基軸通貨として機能しているのか?

この質問に答えられないのです。これはとても大きな問題点です。

 

*不換紙幣=ゴールドと交換が出来ないお金のこと

信用貨幣論 「お金は、信用と負債の関係を円滑に処理するものである」

これはRが、前の記事で書いた、お金の捉え方です。

お金は、「信用と負債の関係を処理するためのもの」という貨幣論です。

つまり、「お金は信用であり、負債でもある」、という考え方です。

 

詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。

 

この信用貨幣論は、商品貨幣論に比べると分かりにくいですよね。

商品貨幣論はシンプルで、なによりも目に見えるものがお金の価値だと言っています。

つまり、金属という物質がお金の裏打ちになっている考えですからね。

 

しかし、この信用貨幣論は、目に見えないものが、お金の裏打ちになっています。

信用だったり、負債だったりと、抽象性が高いです。

 

でも、得てして、目に見えないものが大切なんですよね( ・´ー・`)ドヤッ。

この一文は無視してもらっても構いません…(笑)。

 

まぁ、とにかく、分かりにくいわけです。

そして、Rのお金の捉え方は、この信用貨幣論になります。

 

この信用貨幣論で言うところのお金になるためには、以下の5条件を満たす必要があります。

(信用貨幣論で言う所の)お金として機能するための5条件

  1. 信用と負債の関係であること
  2. 通貨単位が明確であること
  3. 譲渡性があること(誰かに譲り渡せること)
  4. 債務不履行の可能性が極めて低いもの(デフォルトが無いもの)
  5. 莫大な流動性があること(市場に出回る量が多いこと)

この詳しい条件についても、上で紹介した記事で解説しています。

 

実際のお金の歴史を確認してみる

金本位制の歴史を確認しておく

上で紹介した、商品貨幣論を前提とする「金本位制」の歴史を軽くおさらいしておきましょう。

金本位制は、イギリスで1816年に貨幣法が成立したことにより導入されることになります。

 

そして19Cを通じて、イギリスと金本位制は、世界のグローバルスタンダードとなっていきます。

これくらいの軽い知識で大丈夫です。受験じゃないですしねw。

 

金本位制で第一次世界大戦が起きてしまいます

上で説明したように、金本位制は、自分の国の経済が悪化しても、自由にお金を刷れません。

自分の意志で、デフレから脱却できないのです。ここは金本位制の超重要なポイントです。

「アベノミクスで、金融緩和じゃー!」みたいなことができないのです。

 

なぜなら、お金の量は、物質として存在するゴールドの量に制限されるからです。

景気を回復するために、外国にあるゴールドを獲得しようとします(植民地の獲得)。

そりゃ、戦争になりますよね…。

 

第一世界大戦後、各国とも、金本位制に復帰しようとしますが、結局失敗に終わります。

 

*デフレ=デフレーションの略語。物価の下落、お金の価値が継続的に上昇する現象のことです。

 

1971年 ニクソンショックが発生

「急に時代が飛んだなw。」と思われるでしょうが、このへんは適当です(笑)。

 

第二次世界大戦後、アメリカは圧倒的な力で持って、米ドルと金をリンクさせる金本位制を復活させます。

第二次世界大戦後のアメリカは、全世界の金の8割を保有していました。圧倒的すぎw。

 

しかし、ベトナム戦争などで、米国の権威が失墜すると、米国から次第に金が無くなっていき、金が枯渇します。

そして、超重要な歴史的転換点が訪れることになります。

 

1971年、当時のアメリカ大統領であるリチャード・ニクソンが、金とドルの交換を停止する宣言を出しました。

Youtubeにニクソンが金とドルのリンクを打ち切るときの宣言動画があったので、参考までにどうぞ。

ここで、金本位制が終了します。

 

その後は、金と交換できない紙幣(不兌換紙幣)で経済を回していくことになります。

 

さぁ、ビットコインがお金(貨幣)になるかどうかを検証してみよう

ビットコイン

お金の2通りの認識の仕方と、実際のお金の歴史の大まかな流れを確認してきました。

ビットコインがお金になりうるかどうかを検証する前に、これまでの記事の確認をしておきます。

検証する前のおさらい

  1. 金本位制は歴史的に、その制度の欠陥から失敗に終わったこと。
  2. 金本位制が終了したことにより、商品貨幣論はその説得性を失ってしまったこと。
  3. 現時点で、貨幣(お金)を理解するのには、信用貨幣論を使う必要があること。

 

信用貨幣論を使ってビットコインがお金になりうるか検証してみる

再度、信用貨幣論のお金の条件を確認してみましょう。

(信用貨幣論で言う所の)お金として機能するための5条件

  1. 信用と負債の関係であること
  2. 通貨単位が明確であること
  3. 譲渡性があること(誰かに譲り渡せること)
  4. 債務不履行の可能性が極めて低いもの(デフォルトが無いもの)
  5. 莫大な流動性があること(市場に出回る量が多いこと)

それぞれ当てはめてみる

1.ビットコインはゴールドなので、信用も負債も関係無し。

2.通貨単位は、BTCという明確な単位がある。

3.譲渡性はなし。強制通用力が無い。相手に拒まれたら終了。

4.債務不履行とかの問題は発生しない。ビットコインは債務ではないから。

5.莫大な流動性は無い。2018/04/08時点で、12兆円しかないです。

 

こうしてみていくと、信用貨幣論でいうところの通貨単位が明確であるという条件は満たすけど、それ以外は満たさないということになります。

 

ビットコインは所詮、ゴールドの域を出ない

ビットコインは、デジタルゴールドです。

そして、人類は長い歴史をかけて、金本位制(ゴールドを価値の源泉とするお金のシステム)は制度的に欠陥を抱えていることを証明してきました。

 

「お金の価値の源泉は、ゴールドという希少性のあるものではない」、というのが正しいお金の認識です。

つまり、今のお金の仕組みを正しく理解するには、商品貨幣論ではなくて、信用貨幣論によらないといけないのです。

 

上限が2100万BTCなら、それ以上は発行できないということです。

第一次世界大戦を思い出してみてください。

デフレになっても、金の埋蔵量に制限されて(BTCでいうところの、発行上限)、国の経済は悪化して、戦争に突入です。

 

流動性の問題もあります。BTCの時価総額はたかだか12兆円しか無いです(2018/04/08時点)。

これで、経済を回せると思いますか?

日本のGDPは、560兆円近くありますし、世界に目を向けると、もっとです。

ムリです。

 

最大の問題点は、ビットコインに上限発行があること デフレになってしまう

ビットコインは上限発行が決まっていて、価値が保たれるのが、巧く出来たシステムだと言われます。

それはRも同意します。

でも、逆に発行上限があることが、お金になることを妨げます。

 

価値が保たれては(上がってしまっては)、現実の経済は上手く回せないからです。

なぜか。

ビットコインの価値が保たれて上昇するということは、デフレーションになるということです。

つまり、貨幣価値の上昇であり、物価の下落をもたらします。

 

ブログで何回も指摘していますが、資本主義はマイルドインフレーションじゃないと経済を回せません。

「インフレじゃないと資本主義は機能しない!?」で説明済みです。

 

お金として重要なのは、流動性です。

お金が市場に大量に出回るということです。

 

なぜ米ドルが基軸通貨として機能しているのか?

その大きな要因の一つして、その莫大な流動性があります。

ドルで取引できないことは基本的にありません。

 

価値が上がると予測されるビットコインは流通しなくなる

供給量が制限されているためにデフレで価値が上昇する(だろう)ビットコインを、皆が手放すと思いますか?

しませんよ。

Rなら、ビットコインの上昇が見込めるのなら(デフレが想定されるなら)、ビットコインを使わずに溜め込みます。

当たり前ですよね。合理的な行動です。

 

溜め込まれて保有のみが目的になってしまうお金は、もはや貨幣とは言えません。

取引に使われなくなるからです。

 

デフレになったら、オシマイよぉ

そして、デフレに陥った国がどうなるかは、わかりますよね。

今の日本を見れば一発でわかります。

デフレに20年も苦しめられ、若者は希望を失っています。

 

ミダス王の神話を出すまでもなく、お金に拘泥すると、国を構成する「人」や、その「国民が生産するサービスやモノのありがたみ」を失うのです。

なぜなら、デフレとは、物価の下落ですからね。お金がより価値を持つ状態です。

売られているパンや、美容院のカット代の価値が相対的に低下する現象ですからね。

 

デフレで、物価やサービスの値段が上がらないのなら、サービスやモノを提供しようと思いますか?

しませんよ。

お金を得ることに集中したほうが、合理的です。

 

合理的だけど、皆がそれをし始めたら終わりです。

最後は、皆お金を持ってるけど、そのお金で交換できるモノやサービスが無い、なんて笑えない冗談ですよ…。

 

この記事で伝えたかったこと

  • ビットコインを始めとする仮想通貨は、お金の本質を理解するのにもってこいの教材である。
  • ゴールドとビットコインは性質が似ている。ビットコインはデジタルゴールドとも呼ばれる。
  • お金の捉え方には、2種類ある。商品貨幣論と信用貨幣論。
  • お金の本質を捉えるには、商品貨幣論ではなく、信用貨幣論を使う必要がある。
  • 商品貨幣論の典型例である金本位制は、制度的に欠陥があることが歴史的に証明され、金本位制及びその理論的根拠である商品貨幣論の説得性が無くなった。
  • また、商品貨幣論には、1971年以降の米ドルのような不兌換紙幣を説明できない致命的な欠点があること。
  • ビットコインには発行上限があるから、ビットコインの価値は上昇してしまう(貨幣価値の上昇=デフレ)。
  • デフレを引き起こすお金(ビットコイン)を現実の経済で使用することはできない。

 

ちなみに、本記事はビットコインを貶める記事ではありません。

ビットコインが通貨(貨幣)として機能するかどうかを検証した記事になります。

その点をご了承ください。

何を隠そう、Rも仮想通貨には投資してますから!

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公務員 投資家R
公務員 投資家R
20代地方公務員。投資、公務員、読書、映画などの情報を発信しています。21世紀は「信頼と信用」が何よりも重要になってくると考えて、ブログを運営しています。利益だけを追わない、信用を貯める。利益は後から結果的についてくる。

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