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米国株の高配当投資が儲かるのは、人間が「早く」金持ちになりたい生き物だから?

米国の高配当投資が儲かる必然的な理由

米国株の高配当投資が儲かる理由

米国株高配当投資

どうも、公務員投資家Rです(@Resident_of_R)。

さて、今回の記事の狙いは、米国の高配当投資が市場平均をアウトパフォームする理由を「お金の現在価値の公式」から探ってみることです。

 

前回の記事「お金の現在価値?? お金と時間の関係について考えてみようじゃないか」の続きになります。

今回の記事は、前回の記事を読んだほうが理解が深まるので、まずはそちらをお読みください。

 

早速内容に入りましょう。

お金の現在価値の公式を再度確認しておきましょう。

お金の現在価値の求め方(F)

$$\color{red}{F=\frac{将来価値}{(1+割引率)^{n年}}}$$

$$\color{red}{割引率=機会費用+不確実性}$$

出典:「知っておきたい ホントに大事なお金の話」P27

 

まずはこの公式が理解できているかどうか確認をお願いします。

今日はこの公式のお話が中心になりますので。

 

お金の現在価値の公式を、投資に応用してみる

お金の現在価値

配当割引モデルをご紹介 株価は将来貰える配当の現在価値の合計

「株価はどうやって決まるのか?」

これは、色々な求め方があるのですが、そのなかの1つの理論です。

配当割引モデルをご紹介します。

 

配当割引モデルとは、株価は、将来貰える配当金の現在価値を合計したもの、という理論です。

例えば、コカコーラの株式を保有しているとしましょう。

今年、配当金をもらいます。1年後も配当金をもらいます。2年後も配当金をもらいます。3年後も配当金をもらいます。

 

こんな感じで、コカコーラという企業が存続し続ける限り、配当金をもらうことができます。

その現在から将来貰える配当金を現在価値に直して合計した値が株価になるよって話です。

 

お金の現在価値の公式を、株価バージョンに置き換えてみる

n年後に貰える配当金の現在価値

n年後の配当金の現在価値(N)

$$\color{red}{N=n年後に貰える配当金\div(1+割引率)^{n年}}$$

$$\color{red}{割引率=機会費用+不確実性}$$

 

ここでもまた理解を容易にするために、具体例を使用しましょう。

1年後にコカコーラから貰える配当金が100円だとしましょう。

機会費用は、国債の利子率である3%と仮定しましょう。

不確実性は、コカコーラは信用できる企業なので、配当が無くなる確率を5%と仮定しましょう。

 

そうすると、1年後のコカコーラの配当金の現在価値は、以下のように求められます。

1年後のコカコーラの配当金の現在価値(A)

$$A=\frac{100}{1+0.03+0.05}=\frac{100}{1.08}=約92円$$

まぁ、こんな感じですね。

そして、この計算を2年後も、3年後も、4年後も、5年後もとやっていって、その合計値が現在の株価になりますよ、ってことです。

 

割引率を構成する2つの要素 「機会費用」と「不確実性」を再度確認しておきましょう

「割引率=機会費用+不確実性」でした。

「機会費用」=利益を得る機会を失うこと(我慢強さのプレミアム)。

「不確実性」=将来の不確実さのこと。

 

機会費用についてもう少し考えてみる

機会費用については、今まで機械的に安全とされる国債の利子率を基準にしてきました。

ただ、機会費用は国債の利子率に限定されるものではありません。

機会費用の定義は、利益を得る機会を失うことです。

「何かしたいのに、できない!!」ということです。

 

「友人にお金を貸さなければ、自分で好きなことができた。」

「友人に貸さなければ、そのお金を使って、何かを始めることが出来た。」

そうした我慢に対するご褒美(プレミアム)みたいな考え方が根底にあります。

 

我慢すればするほど、この機会費用は上がっていくものと理解してください。

なぜなら、機会費用は、我慢に対するご褒美(プレミアム)だからです。

 

不確実性についてもう少し考えてみる

「不確実性」は、将来が不安定であることを意味します。

私の投資哲学の1つであります。

 

不確実性は、信頼や信用に応じて変化します。

皆さんは、株式会社R(代表者R)とコカ・コーラ社にお金を貸してほしいと言われたら、どちらに優先的に貸しますか??

 

私だったら、間違いなくコカ・コーラ社に優先的に貸し出します。

100年以上にわたってコカ・コーラを売り続け、信頼と伝統のあるアメリカを代表するスーパー企業のコカ・コーラ社です。

その信頼たるや、半端じゃないですよね。

 

その一方、2ヶ月程度しかブログを続けていないRが代表の株式会社Rです。伝統も信頼も少ないです。

つまり、信頼度がコカ・コーラ社に比べると圧倒的に足りてないのです。

 

コカ・コーラ社は信用が抜群に高いので、お金はほぼ間違いなく返済されるでしょう。

コカ・コーラ社の場合、債務の返済は確実です。

この場合、不確実性は極めて低いです。

 

株式会社Rはどうですか?

資金がショートして、お金を返済してくれるかどうかわかりません。

不確実性が高くなるのです。

 

このように不確実性は、信用度が高ければ高いほど、低減していきます。

逆に、信用度が低ければ低いほど、不確実性は高まっていきます。

 

米国株の高配当銘柄である、コカ・コーラ社を例にとって考えてみる

コカ・コーラ

n年後に貰える配当金の現在価値(N)

$$\color{red}{N=\frac{n年後に貰える配当金}{(1+割引率)^{n年}}}$$

$$\color{red}{割引率=機会費用+不確実性}$$

 

割引率が高ければ高いほど、現在価値(株価)は低くなることをまずは理解する

割引率が、5%のときと、10%のとき、どっちが現在価値が低くなると思いますか?

それは、割引率が高い、10%のときです。

 

計算すれば一発でわかります。

割引率が5%のとき(1年後の配当金=100円の場合)

$$1年後の配当金の現在価値=\frac{100}{1.05}=約95円$$

 

割引率が10%のとき(1年後の配当金=100円の場合)

$$1年後の配当金の現在価値=\frac{100}{1.1}=約90円$$

 

割引率が高い10%のほうが、現在価値は低いですよね。

このように割引率が高くなればなるほど、その現在価値は低くなることを理解してください。

 

そしてさらに付け加えるなら、その現在価値の合計値である株価も低くなるということです。

さらにさらに、株価が低いということは、割安になっている可能性があるということです。

つまり、割引率が何らかの原因で高くなればなるほど、その現在価値の合計値である株価も安くなり、割安に評価されている可能性があるということです。

 

コカ・コーラ社の機会費用と不確実性についても考えてみる

まずは、不確実性から、考えてみましょう。

これは言うまでもなく、不確実性は極めて低いです。

アメリカの企業の中でも、随一のディフェンシブ力を誇るでしょう。

つまり、割引率を上げる要因にはならないので、割安になることは少ないということです。

 

直感的に考えてもわかりますよね。

コカ・コーラ社の様な超大型優良企業の株式は時価総額も大きく、流動性も莫大で、機関投資家の調査も凄くて、市場が効率的に機能していることが多いので、評価は妥当な場合がほとんどです。

また、そのブランド力も高く、景気に左右されないことから、安定力は抜群です。皆が安心して投資できるのです。市場平均よりも、多少割高になっていても、皆妥協して買うことが多いのです。

これは、米国の高配当投資が市場平均をアウトパフォームするにはマイナスの原因ですよね。

 

米国の高配当投資が市場平均をアウトパフォームする原因は、割引率を構成する「機会費用」にある

でも忘れてはいけない要素がもう一つありますよね。

割引率は「機会費用」と「不確実性」から成り立っています。

実は、米国の高配当投資が市場平均をアウトパフォームする原因は、割引率を構成する「機会費用」にあります。

 

機会費用は、利益を得る機会を失うことです。

つまり、我慢に対するご褒美(プレミアム)です。

この我慢に対するご褒美が、異常に高くなるのが、人間って生き物なんですよね。

つまり、人間は早く金持ちになりたいという欲望が尋常じゃないくらい強い、ということを意味します。

 

「えっ!ここまで理論のゴリ押しだったのに、最後の最後で、人間って、金持ちになりたい生き物なんだよね」って言われてもw。

「理論のゴリ押しで来たのに、最後のいちばん重要なところが、そんな非合理的な理由なのかよ!」

そう思った方が多いでしょう!

しかし、これが現実です。理論は現実とすり合わせてこそ、その本当の威力を発揮します。

 

人間が早くお金持ちになりたいという超強力な欲望が、割引率をドカンと上昇させる

米国の高配当投資が市場平均をアウトパフォームする理論的理由

数式でややこしいので、図解してみました。しょぼいイラストですみません…(笑)。

割引率を構成する要素のうち、機会費用の部分が大きく上昇することによって、左辺の現在価値(その合計値である株価)が低下します。

しかも、低下の原因が、コカ・コーラ社のビジネス状況の変化ではありませんよ。

そんな合理的じゃないことが、起こるのか?

 

起こるんですよ、それが。

合理的な理由でないとしたら、後考えられるのは非合理的な要因ということです。

つまり、人間の早く金持ちになりたいという気持ち(非合理的な要因)が、割引率の上昇をもたらしているのです。

 

Rもわかります。自分で体験しています。

それは、仮想通貨です。

まだ記事にしていませんが、仮想通貨を保有しています。

とにかく、早く金持ちになりたかった。周囲の人間が仮想通貨のガチホだけで爆益を出しているのを、横目で見ていられなかったのです。

 

この人間の早く金持ちになりたいとう欲望は強力です。

ゆっくりと金持ちになることができるとわかっていても、人間の本能がそれを妨げるんですよ。

そこにこそ、米国の高配当投資の「うまみ(市場平均をアウトパフォームする理由)」があるんです。

 

特に超大型ディフェンシブ銘柄は、機会費用が高い(我慢強く持つことで報われる)

コカ・コーラ、ジョンソンアンドジョンソン、P&G、マクドナルド等の不景気に強い超大型ディフェンシブ銘柄は、すぐにお金持ちになることができません。

もちろん、保有している安心感は抜群ですが、その安心感はプレミアムのレベルを下げます。

常に、リターンの源泉はそのリスクにありますから、安心感はリスクにはなりません。

 

しかし、長期になると話は別です。別のご褒美(プレミアム)が加わってくるからです。

それが、機会費用プレミアム(我慢へのご褒美)です。

皆、こうしたディフェンシブ銘柄を長期で保有すればゆっくりとお金持ちになれるのに、そうしない、いや、できないのです。

 

なので、こうしたディフェンシブ銘柄をバイ・アンド・ホールドすること自体がリターンの源泉になっているということです。

皆、信用取引や仮想通貨の取引に勤しみます。早くお金持ちになりたいからです。

 

 

人間は遠い将来の利益を過小評価しちゃう

人間は遠い将来の利益を過小評価しちゃうって前に言いましたよね。

もう、こここまで読んだ皆さんならわかりますよね、遠い将来の利益を過小評価するということは、ファイナンス理論的に言うと以下のようなことを意味するのです。

 

非合理的な要因により割引率の上昇を引き起こし、その結果、現在価値(及び現在価値の合計である株価)を低下させる、ということです。

これこそ、米国の高配当投資が市場平均をアウトパフォームする理由以外の何物でもありません。

なぜなら、非合理的な理由によって株価が割安になっていると考えられるのですからね。

 

前の記事「【米国大型配当株投資の理論的根拠を知りたい人へ】 「人間の認知の歪み」にこそ利益の源泉がある」では、「近視眼的な時間非整合割引率」という言葉を使いました。

 

割引率の整合性が取れていないということです。人間は早く金持ちになりたいので、遠い利益になればなるほど、その割引率が非合理的に上昇していく、という意味です。長期的に考えることができず、目の前の利益に右往左往しちゃうってことです。

「はー、耳が痛い(笑)。」

 

20世紀最大の経済学者にして投資家 ジョン・メイナード・ケインズは1930年代にすでに気づいていた

ジョン・メイナード・ケインズby Wikipedia J.M,keynes

20世紀の歴史的書物のケインズの『雇用、利子および貨幣の一般理論』にそのことが書かれています。

私が人生でかなりの影響を受けているケインズ。「さすが」の一言しか言えません。

 

しかも人生はそれほど長くはない。[長くはない人生を生きる]人間というものは結果がすぐに現れることを望むものである。手っ取り早い金儲けにことに強い興味を示し、遠い先に得られる利益を平均的な人間は非常な高率で割り引く。

出典:『雇用、利子および貨幣の一般理論』(1936,J.M.Keynes)第12章 長期期待の状態 P217より

 

ケインズの慧眼たるや、「見事」と言う他ありません。

 

この記事で伝えたかったこと

POINT

  • お金の現在価値の公式は、ファイナンスの基本理論であり、応用範囲が広いため、理解しておくと役に立つ。
  • 理論的に、株価は、将来貰える配当金を現在価値に換算し、それを合計した値である、と言える。
  • 割引率を構成する「機会費用」は、我慢に対するご褒美(プレミアム)であると考えることができる。
  • 人間は早くお金持ちになりたい生き物なので、我慢に対するご褒美(プレミアム)が大きい。
  • 人間は非合理的な生き物なので、遠くなればなるほど、企業が生み出す利益を過小評価してしまう。
  • つまり、遠い将来の利益ほど、現在価値に換算するときの割引率が高くなる。
  • 偉大な経済学者であるケインズも同様の発言をしていた。さすが。

 

現在、Rは以下の投資信託を通じて、米国株の高配当投資を実践しています。

>>「楽天-楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドへ乗り換えしました」

ABOUT ME
公務員 投資家R
公務員 投資家R
20代地方公務員。投資、公務員、読書、映画などの情報を発信しています。21世紀は「信頼と信用」が何よりも重要になってくると考えて、ブログを運営しています。利益だけを追わない、信用を貯める。利益は後から結果的についてくる。

POSTED COMMENT

  1. 米国株投資をしてる人ですら近視眼的視点で株式を見てる人って多いですからね。人間は欲深い生き物だからこそ、その本能に逆らえば利益を得られるというのは皮肉なものです。

    美人投票理論といい、80年以上も前に投資の本質を見抜いていたケインズには脱帽ですね。すごいとしか言いようがありません。

    • >>人間は欲深い生き物だからこそ、その本能に逆らえば利益を得られるというのは皮肉なものです。

      これは金言ですね(笑)。

      >>美人投票理論といい、80年以上も前に投資の本質を見抜いていたケインズには脱帽ですね。

      行動ファイナンスや貨幣論など、現代を生きる我々がいまだに誤解している多くのことを、彼は80年以上前にその本質をことごとく見破っていたというのですから、見事という他ありませんね。
      私のブログの随所にはケインズから学んだ知見が織り交ぜられています。
      イギリスが生んだ20世紀最高の知性と言われる所以です。

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